「ありがとう―――それと、ごめんね」

奈須きのこの文体の話、に反応して自分のルーツであるところの月姫の文体を確認、びっくりするほど月姫っぽい文を書いている現状に気付いて無事死亡した。

・とりあえず月姫の文体は全体として(歌月以降に比べると)こなれてない―――句読点のルールが特に揺れてる―――っぽいのだがまあ当時のインタビューとか見るだにデスマーチの末の産物らしいのでむべなるかなというか。琥珀さんルート終盤、なぜか説明台詞がブチ込まれた瞬間を初めて見た時にはああ世界の強度が下がってしまったと嘆いたものだったけれど、あれ多分もう丁寧に書いてる時間が無かったんじゃないでしょうか。確証はないけど。

・そもそも月姫の肝は文体の速度操作にある(と僕は思った)。リリカルな語りと山場で速度を増す文体/ロジック、そしてそれらを魅せるための(全)画面の文字構成、といった辺りが強みなんじゃないかな。だから世界の焦点が琥珀さんから外れた(また自分語を遣う……)瞬間に悪い意味での異界感が生まれてしまった、と。

・そもそもあのシーンに違和感を憶えたって言ってる人を自分以外に見たことがない問題。

歌月十夜以降/空の境界の話はまた今度まじめに書くと供述しており云々。