魂の座

・『おたく☆まっしぐら』の善さは、容赦のないほどに精確なところだと思う。

・完璧な「おたく」は恋愛などしない。信仰や姿勢の問題でもあろうけれど、それ以前にリソースの無駄だからこそ、人間との恋愛には積極的に関わらない。……というのは、作中の主に前半で描かれていたことで(現実のオタの姿と比較したり現実のオタの定義論に持っていく必要はあんまりない―――作中で遣われた言葉と論理だけを問題にするべき)。そこを外さずに、しかし恋愛を描くギミックを作中通して違和感なく設置する手腕こそが恐ろしい。何も間違えていないからこその強度。

・たとえば涼香ルートの展開とか。