シュールギャグを指向するのがよさそうだが

・『食戟のソーマ』が展開読めなくて面白いなーとか。どこも向かずに死ねる可能性も相変わらず保ったまま、という印象ではあれ。

・勝負を題材とした時、主人公の成長やそれによる逆転を配置せずとも、面白い展開は成立しうる。つまり、勝利の判りきった展開を、僕たちは楽しむことができる、ということ。

・同じ料理漫画で言えば、『ザ・シェフ』や、究極至高の対決が絡まない時の『美味しんぼ』などがそうで、そこでは主人公の作る/或いは紹介する料理によって人情話や喧嘩の仲裁、何がしかの風刺といった物語が展開される。その際、読者は主人公の給した料理が驚きを以って賞味されるであろうことを知っている―――知っていながら楽しむことができる。つまり、勝つことは前提であり、「どのように勝つか」だけが興味の対象とされている。

・敗北や主人公の成長がキーになる話もあるけれど、本筋とは余り関係ないので措く(成立「しうる」―――全称命題ではなく、可能性さえ提示できればよい)。

・ではソーマは? と考えると、これがどうにも難しい。料理学校を舞台にした時点で「食通気取りの人間をブチのめす」「問題を抱えた人間に食を通して助言する」って展開は非常にねじ込みづらくなっているはず。あと同年代のキャラクタを同時に同じ場所に集める場としての「学校」がうまく機能しないっぽい設定なので、学園もの(ラブ)コメとしても舵取りが難しそう。ベタに画面だけ見てると見開きの破壊力にカタルシスを求めてる? とか感じるんだけど、そう遠くない内に無理が出てくるだろうし、展開の方でもっと動きが出てこないと何とも言えないなあ。

・といった感じなので、今後の動向が気になるところ。