やまなしいみなし

・人間は生まれながらにして人間という制度に組み込まれていく。種としてのヒトと制度としてのヒト、って括りを設定すると解りやすい(あまりにも粗雑な二分法ではあるが)。

・「人は生まれながらにして人ではない。生きることで人になっていくのだ」という趣旨のARMSにおける名言は、このような意味において、限りなく呪わしく響く。いや、あれは種として変質しつつも精神的には人間という制度に寄り添って居たかった者たちへの言葉だから全然間違っていないのだけれど、この台詞だけを切り取って敷衍していくと大層な邪悪が顕現するよね、という。

芥川龍之介の河童とか正にそういう話ですよねー。